ターンオーバー

東山湖フィッシングエリア 冬

[ ターンオーバー ]
水深15mより浅い池や湖などでの水の層の温度差で水が循環する現象。この状況になると魚が釣りづらくなる事もある。

解説

水温差による水の層の置き換え 『池の呼吸』

 主に秋口の気温の低下とともに徐々に表層水面の水温が低下した時に起こり易いとされている。非常に冷たい雨が大量に降れば夏でも一時的に起こる事がある。ターンオーバーが起こると中規模の釣り場で収まるのにだいたい1~2週間ほどかかる。

 夏場に温まった池の水と、秋の寒風・外気にさらされて冷えた表層付近の水の層が上下で入れ替わる事からターンオーバーと呼ばれる。

水の特性

 水の比重は温度により変化し4℃の時が一番重くなる事が一般的に知られている(水の比重表)。この水温による水の重さの違いにより、冷たい水は重いので下のほうに溜まろうとし、これにより夏場に温まっていた底の温かい水が上に押し上げられてしまう。

管理釣り場での釣りへの影響

 単に表層の水と底の水の上下が入れかえるだけなら大きな問題ではないが、管理釣り場の場合魚が過密にいる環境なので死魚や糞などの老廃物が池底に溜まり易い。夏の間の暖まった底水が上のほうに入れ替わってしまうと底の悪い水ごと巻き上げてしまう。

 この時に底に沈殿していた老廃物や死魚などの沈殿物が一緒に舞い上がってしまうと水質汚濁の原因となる。この突然の水質悪化が原因で魚がショック死してしまうこともあるので釣り場にとっては重要な問題といえる。この状況になるとこの老廃物が再び沈殿するまで魚の活性が落ちる事もある。

 ただし池の管理者が適切に対応すればこれらの症状を緩和または軽減する事が出来る。

ターンオーバーの良い点

● 池の底に酸素を含んだ水が供給される
● 秋から冬池に移行する際に、池底に安定した冷たい水温層が出来る

ターンオーバーの悪い点

● 池の水の視認性の低下
● (沈殿物が巻き上がった場合)PH値変化による釣魚のストレス増加による一時的な活性の低下

ターンオーバーの状態を確認する方法

● 単純に池が見た目に濁る: 池色がチョコレート色まで濁る事もある。
● 泡切れが悪い: 竿先で池をチャプチャプかき回して泡立ててみて、その後泡が残るようだとターンオーバーの可能性あり。

● 泡切れの悪さも風に晒される事によって自然と解消される事がある。

管理釣り場の池でターンオーバーを回避・軽減するには?

● 池の換水(水の入れ替わり)が早ければターンオーバーは回避、または軽減される。
● 釣場が夏場に池を干し池底に酸素をふくませる(池底の好気化)。気温が十分に冷えた秋口に水を入れて魚を放流すれば、ターンオーバー時に活性が落ちる症状を軽減できる

季節によるターンオーバーの特徴

秋:10月~12月頃

 池全体で起こる。影響が大きい

春:3月~4月

 3月上旬頃から日射時間が増えて水温が上昇しだす。この時に寒気が入るとターンオーバーがおきやすい。ただしターンオーバーの規模は小さく影響度は低い事が多い。

夏:5月~8月

 ターンオーバーは秋から春が顕著だが、夏でも水温差からターンオーバーが起こる事はある。真夏に冷たい雨が降った時やそういった水が池に流入する時にターンオーバーが起きやすい。また夏の管理釣り場のターンオーバーは冷水を取り入れるインレット側で起こりやすい。

まとめ

 管理釣り場で顕著に影響を受けるのは、夏を越して温まった水でそのまま秋の営業を迎える池。ターンオーバーは晩秋に起こるイメージがあるが、基本的には温まった水と冷たい水の水温差によって生じるので通年でターンオーバー自体は起きる。池の表面に注目し水面の泡切れが悪い時はターンオーバーと見て良いだろう。

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