ターンオーバー

東山湖フィッシングエリア 冬

[ ターンオーバー ]
水深15mより浅い池や湖などでの水の層の温度差で水が循環する現象。この状況になると魚が釣りづらくなる事もある。

解説

水温差による水の層の置き換え 『池の呼吸』


 主に秋口の気温の低下とともに徐々に表層水面の水温が低下した時にターンオーバーが起こり易いとされています。ターンオーバーが起こると冷えた表層の水が底に沈み、池の底の方の水が表面に押し上げられます。その時に池の底に溜まっていた様々な沈殿物が巻き上げられて池が濁ります。管理釣り場でターンオーバーが起こると濁る事に寄る視界不良やPH変化等で一時的に釣りにくくなります。

 ターンオーバーがおさまるのにかかる時間はその池の換水量によっても差がありますが、池の水がよく入れ替わる釣り場では2~3時間程度でおさまる事もありますが、これは釣り場の換水力に比例して伸びていきます。ため池タイプの釣り場だと1週間ほどかかる事もあります。

水の特性

 水の比重は温度により変化し4℃の時が一番重くなる事が一般的に知られている(水の比重表)。この水温による水の重さの違いにより、冷たい水は重いので下のほうに溜まろうとし、これにより夏場に温まっていた底の温かい水が上に押し上げられてしまう。

管理釣り場での釣りへの影響

 単に表層の水と底の水の上下が入れかえるだけなら大きな問題ではないが、管理釣り場の場合魚が過密にいる環境なので死魚や糞などの老廃物が池底に溜まり易い。夏の間の暖まった底水が上のほうに入れ替わってしまうと底の悪い水ごと巻き上げてしまう。

 この時に底に沈殿していた老廃物や死魚などの沈殿物が一緒に舞い上がってしまうと水質汚濁の原因となる。この突然の水質悪化が原因で魚がショック死してしまうこともあるので釣り場にとっては重要な問題といえる。この状況になるとこの老廃物が再び沈殿するまで魚の活性が落ちる事もある。

 ただし池の管理者が適切に対応すればこれらの症状を緩和または軽減する事が出来ます。

ターンオーバーの良い点

●池の底に酸素を含んだ水が供給される
●秋から冬池に移行する際に、池底に安定した冷たい水温層が出来る

ターンオーバーの悪い点

●池の水の視認性の低下
●(沈殿物が巻き上がった場合)PH値変化による釣魚のストレス増加による一時的な活性の低下

ターンオーバーの状態を確認する方法

●単純に池が見た目に濁る: 池色がチョコレート色まで濁る事もある。
●底に沈んでいた死魚などが浮かび、魚臭い匂いがする。
●泡切れが悪い:竿先で池をチャプチャプかき回して泡立ててみて、その後泡が残るようだとターンオーバーの可能性があります

●頻繁にターンオーバーを繰り返す釣り場の方が症状が軽減されやすい。
●普段ターンオーバーを起こさない釣り場がターンオーバーになる方が症状が重くなる傾向がある。
●泡切れの悪さも風に晒される事で自然と解消される事がある。

管理釣り場の池でターンオーバーを回避・軽減するには?

● 池の換水(水の入れ替わり)が早ければターンオーバーは回避、または軽減される。
● 釣場が夏場に池を干し池底に酸素をふくませる(池底の好気化)。気温が十分に冷えた秋口に水を入れて魚を放流すれば、ターンオーバー時に活性が落ちる症状を軽減できる

季節によるターンオーバーの特徴

秋:10月~12月頃

 池全体で起こる。影響が大きい。特にコンクリート護岸の池は日中温まりやすく、夜間冷えるために午前中のうちはターンオーバーを起こしやすい。

春:3月~4月

 3月上旬頃から日射時間が増えて水温が上昇しだす。この時に寒気が入るとターンオーバーがおきやすい。ただしターンオーバーの規模は小さく影響度は低い事が多い。

夏:5月~8月

 ターンオーバーは秋から春にかけて顕著に起こる現象ですが夏でも水温差からターンオーバーが起こる事はあります。水温が上昇しやすい真夏に、池の水温よりも冷たい雨が降った直後、またその冷たい水が池に流入する時にターンオーバーが起きやすい。また夏の管理釣り場のターンオーバーは冷水を取り入れるインレット側から起こりやすいのが特徴です。

まとめ

 管理釣り場で顕著に影響を受けるのは、夏を越して温まった水でそのまま秋の営業を迎える池。ターンオーバーは晩秋に起こるイメージがあるが、基本的には温まった水と冷たい水の水温差によって生じるので通年でターンオーバー自体は起きます。池の表面に注目し水面の泡切れが悪い時はターンオーバーと見て良いでしょう。
 とはいえ管理釣り場のターンオーバーは一時的に起こる事がほとんどですので、時間を変えて
 

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