ご当地サーモン・ブランドニジマス

サクラマス
 近年、地域間のサービス競争で「ご当地サーモン」「ブランドにじます」を放流している管理釣り場が増えてきています。ここでは全国各地のブランドにじますを紹介します。管理釣り場の釣魚用途以外にも、食用用途も混在して記載しています。

都道府県

北海道

銀河サーモン / 大雪ヤマメ大雪漁業生産組合
 熟成型。

東北

青森県

海峡サーモン [北彩漁業生産組合]
【食用】津軽海峡の海流で育てたサーモン。荒波にもまれ、引き締まった身と脂のりを実現。赤身。
青い森 紅サーモン(あおいもりくれないサーモン)[青森県産業技術センター内水面研究所]
 青森県内でつくるサーモン。青森県特産のりんごとにんにく入りのえさを与えて育てている。

青森サーモン ( オカムラ食品工業 / 日本サーモンファーム株式会社
 白神山地から流れ出すミネラル豊富な水で中間養殖を行い、津軽半島の海峡で育て身のひきしまったサーモン。

十和田湖ひめます
 明治時代から始まった歴史あるひめます養殖。陸封型紅鮭。十和田湖がまたがる秋田県と地域団体商標登録。

秋田県

十和田湖ひめます
※青森県欄参照。

岩手県

● 岩手大槌サーモン
 海面養殖。
● 八幡平サーモン(清水川養鱒場
 日本名水百選「金沢清水」を使用し、オリジナル配合のえさで育てる。

宮城県

● 伊達イワナ [宮城県水産試験場] 3倍体
 白身の3倍体。平成28年に商標登録。
● みやぎサーモン[みやぎ銀ざけ振興協議会] (金華銀 / 銀乃すけ / 極み鮭)
【食用】海面養殖した銀ザケを水揚げ後に鮮度処理を施しています。

山形県

ニジサクラ
 ニジマスxサクラマス。全雌異質三倍体。

福島県

阿武隈川メイプルサーモン [林養魚場]
 カナダ、カムループス地方原産のニジマスを日本に移殖し、選抜育成を施しているニジマス界のサラブレッド。フォレストスプリングス系でおなじみの魚。

関東

栃木県

ヤシオマス [栃木県水産試験場] 3倍体
 栃木県水産試験場が開発。2年で2~3キロに成熟する。オレイン酸を多く含むプレミアムヤシオマスも生産・流通されている。赤身は栃木県の県花ヤシオツツジから

銀桜(ぎんおう)サーモン [栃木県水産試験場] 全雌3倍体
 栃木県水産試験場が開発。銀色に輝く魚体で50cmまで成長。食味も良いが釣り味も良く管理釣り場向け。

頂鱒(いただきます)[神山水産] 成熟型
 アスタキサンチンとオレイン酸を配合した餌で時間をかけて育成する。赤身で食用人気が高い。[頂鱒放流中の管理釣り場]

驚ロック(おどろっく)[神山水産]イワナ+ニジマスのハイブリッド三倍体
 驚くほどの釣りごたえ!食味も良く人気。管理釣り場向け。

柚鬼鱒(ゆづきます)[鬼怒川漁協] 柚子とオレイン酸を配合した飼料で時間をかけて育成する。鬼怒川FAの特別放流も!

● 温泉サクラマス

群馬県

ギンヒカリ [群馬県水産試験場]
 通常のニジマスより熟成ピークが遅い3年熟成型。温泉旅館等の食用、造り、刺身用途。釣魚としては出荷されない。
ハコスチ [群馬県水産試験場]
箱島系ニジマスとスチールヘッドの交配種。反転して潜るのでヒキの手ごたえが良い。県内の湖沼・渓流河川・管理釣り場の遊漁用途。
森そだちサーモン [大崎養魚場]
 赤城の恵みブランド。4年熟成型を2キロ以上に育てて出荷している。

マイトサーモン 黒保根渓流フィッシング

ドリームサーモン 黒保根渓流フィッシング

千葉

● 江戸前ギンザケ(鋸南町勝山漁業協同組合

東京都

練馬サーモン [としまえんフィッシングエリア]
 としまえん(閉園)の冬季プール釣り堀で放流されていた大型サーモン。→ 多摩湖フィッシングエリアへ

奥多摩ヤマメ東京都農林水産振興財団

神奈川県

● 荒銀サーモン(ギンザケ)[長井漁協]

山梨県

甲斐サーモンレッド [山梨県要養殖業協同組合]
 湧水量日本一の山梨県で育った1キロ以上のニジマス。エサにぶどうの果皮を添加している。

東海・中部

静岡県

紅富士(あかふじ)
ニジマス養殖日本一の町、富士宮市が育むブランド。バナジウムを含んだ富士の湧水で育てる。2キロ以上の未成熟魚、身色はサーモンカラーチャートが25以上、養殖場所、加工・運搬方法に特徴がある。

富士山サーモン [柿島養鱒]
バナジウム水で有名な猪之頭湧水の環境と”だし”の搾りかすから抽出した独自配合の餌で2.5kg以上に育てて出荷。

伊豆の大祝魚(イワナ)[柿島養鱒]
魚体重700g以上の鮮魚、活魚。

三保サーモン [日建リース工業]
地下海水陸上養殖によるアニサキスフリー。無菌状態の海水かけ流しで抗生物質なしの育成を実現。活魚やノンフローズンでの出荷が可能。

スーモン(すそのサーモン)[すそのフィッシングパーク]
ハーブ入りペレットで育てているニジマス。

愛知県

絹姫サーモン [愛知県淡水養殖漁業協同組合] ホウライマスxアマゴ 雑種3倍体
黒斑点のないホウライマスとアマゴ。餌の魚粉配合比率を減らし、川魚の臭みの要因を低減する工夫をしている。
● 渥美プレミアム ラスサーモン [林養魚株式会社]
RAS型。循環濾過養殖プラント内で海水を殺菌して使用。

岐阜県

飛騨サーモン [穂高養魚場] ニジマス
【食用】養殖環境や給餌管理で臭みのない大型マス養殖を実現。
● 更紗トラウトサーモン/ 更紗あまご / 更紗ニジマス [有限会社和光]
【食用】ポリフェノール(クマザサ配合)したえさが特徴。

北信越

新潟

● 活〆佐渡サーモン [弓ヶ浜水産]
● 佐渡荒海サーモン [山津水産]
● 佐渡満開サクラマス[]
● 安田温泉ゆたからサーモン [安田温泉]
● 新潟サーモン極み [日本海洋牧場]
● 魚沼美雪ます [高野養魚場]
● 八海山サーモン [八峰養魚場]

長野県

信州サーモン [長野県水産試験場] ニジマスxブラウン(四倍体を使った雑種3倍体)
● 信州大王イワナ
シナノユキマス [長野県水産試験場]
 ポーランド原産のサケ科コレゴヌス属。卵も直径2mmとワカサギに近い。立岩湖など。
● アルプスサーモン

富山県

● べっ嬪さくらますうらら [堀岡養殖 / JR西日本]
● いみずサクラマス [大門漁業協同組合 / 堀岡養殖]
● 近大サクラマス [近畿大学水産研究所]

石川県

● 西海サーモン(ニジマス)[石川県漁協西海支所]

福井県

ふくいサーモン[福井漁連] ニジマス
海面養殖。平成26年より。

近畿

京都府

● 伊根サーモン(ニジマス)
 熟成型。

兵庫県

● 神戸元気サーモン [ナナファーム須磨]
● 神鍋清流サーモン [兵庫県養鱒組合]
● 白鷺サーモン [坊勢漁協]
 海上釣堀でも放流。[水宝]
● 味優留サーモン(ニジマス)[ANH株式会社]
 (あいするサーモン)。
● 坊勢サーモン
● 坂越オイスターサーモン[上田水産]
 坂越カキをえさに。
● 淡路島サクラマス [淡路島サクラマス実行委員会]
 鳴門海峡の速い潮流で育てたサクラマス。3月~5月。

和歌山県

● 近大サツキマス [近畿大学水産研究所]

中国四国

広島県

広島サーモン [万古渓養魚観光株式会社]
【釣魚・食用】海水温の低い冬場に育成する海面養殖サーモン。七瀬川などでルアーフライで楽しめる。
広島レモンサーモン [大暮養魚 / 中森水産]
 ドナルドソン系(ニジマスのサラブレッド)。広島産のレモン果汁を添加した餌に特徴。中間育成を淡水、仕上げを海面養殖で行う。

鳥取県

境港サーモン[ニッスイ] ギンザケ
【食用】美保湾で海面養殖されたギンザケ。ITで効率的な給餌システムで生産。フィッシュポンプでダイレクトに水産工場に搬送。魚体を傷めず活〆が可能。
● 大山湧水サーモン[ニッスイ](ギンザケ)
【食用】境港サーモンと同じ種苗を淡水のみで育成、加工。
● とっとり琴浦グランドサーモン(ギンザケ)

香川県

● 讃岐さーもん
● 瀬戸内サーモン
● 小豆島オリーブサーモン(ニジマス)

高知県

● ドラゴンサーモン [株式会社小島水産]
 須崎市浦ノ内湾で育てたサーモン。須崎市の形が竜の頭に似ている事に由来。

愛媛県

● 宇和島サーモン
● 愛南サツキマス
● 来島サーモン
● 中島産サーモン

九州

佐賀県

● 玄海サーモン(ニジマス)

長崎県

● 長崎あいあいサーモン
● 松浦サーモン

熊本県

● 南国サーモン

宮崎県

西米良サーモン(ニジマスxイワナ) [井戸内養魚場]
 4年熟成型。海外での人気も高いブランド鱒。
● 奥日向サーモン [株式会社九州築地]
 ドナルドソン。

鹿児島県

● 霧島サーモン [ベクトル株式会社]
 麹菌、霧島茶(有機農法)の粉末などエサにこだわり。霧島連山の水で飼育。

そもそもご当地サーモンとは?

 ① 品種・生育期間 ②サーモンの給餌方法、エサの添加の創意工夫 ③ 育成する環境・水 ④出荷時の規定(重量・赤身のレベル)など厳正な規格を通った品質の高いトラウトサーモン。

なぜご当地サーモンなのか?

 なぜご当地サーモンが増えてきているのか?
● 世界的にサーモンの需要が上がっている事
● 日本国内のサーモンの購入も増えている事
● サケマスの漁による水揚げが年年減少しつづけている事
● 養殖魚の中で比較的出荷価格が安定している事

などがあげられます。

 ご当地サーモンは日本国内で流通するサーモン全体の総量の中では、個々としては非常に流通量が少ないニッチなジャンルです。
 ここ数年サケマスに限らず「歴史的不漁」というニュース記事を毎年目にします。サケマスも計画的に育てて獲る安定供給の時代になりつつあるのかもしれません。

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